基礎練習が一通り終わったら、「せんばやま変奏曲」の練習を始める。
────タララ、タタタ、タタタ。
♩=120のメトロノームに合わせ、3連符のリズムを刻んでいく。
この曲は、リズム感がとても重要だ。
後の方になればなるほど、リズムがどんどん複雑になっていき、縦の線を揃えるのが難しくなってくる。
それでも、私はリズムを合わせるのは得意な方だから、リズムで苦労することは少なかった。
この曲は、主題と8つの変奏(バージョン○、という感じで楽譜には書かれている)から構成されている。
主題はそのまま、「あんたがたどこさ」のメロディー。
バージョン1は、そのメロディーを複数の楽器で輪唱のように、少しタイミングをずらして重ねていく。
バージョン2は、ゆっくりのテンポでメロディーを奏でる。
そして、バージョン3からは、アレンジが大胆になり、一気に難しくなる。
特に、バージョン3はかなり重要な部分だ。
たくさんの16分音符が連なっていて、うまくタンギングができなければ、すぐにリズムについていけなくなってしまう。
この部分では2ndは主旋律だが、1stは主旋律ではない。だから、私がしっかり音量を出さなければいけない。
────タン、タタタラタタタラタンッ。
────タン、タタタラタンッ。
主旋律の音の隙間を縫うように裏打ちをするトロンボーンの音を頭の中で思い浮かべながら、どこで音が重なるのか、どこで重ならないのか、を意識する。

