あたしたちは屋上に移動した。



「いい天気ですね〜あったかい♪」

「結構人いるな…」



見渡すと生徒がちらほらとお昼を食べている。



「まぁ広いですし場所はいっぱいありますよ!」

「それもそうだね」



あたしたちは人の密集を避けて座った。



「璃愛のお弁当美味しそうだね」

「ほんとですか!?嬉しい!実は自分で作ってるんです!」

「へぇ、すごいね!料理得意なんだ?」

「得意ってほどじゃないんですけど、作るのは好きです!先輩はいつもパンなんですか?」

「うん、ほとんど購買」

「そうなんですね…」

「あ、それうまそう!その卵焼き」

「え!?こ、これですか…?あの、た、食べます…?」

「ん!」



えぇっ!?

あのかっこいい先輩がお口を開けて…!!

か、可愛い…!!!!



箸を持つ手が震える。

やっとのことで先輩のお口に卵焼きを運ぶ。



「あの…どうですか?」

「うまい!程よく甘くて、俺の好きな味」

「よ、よかった〜〜〜」



はぁー…

ドキドキした〜〜〜////



「あ、俺のパンも食べる?食いかけだけど」



そう言ってメロンパンを差し出す先輩。



「す、すみません、いただきます…」



パクッとひとくち食べると甘い香りが口内で広がる。



「ん〜美味しいっ!!」

「……」

「…?先輩?」



先輩がじっとあたしを見つめてからふっと微笑んだ。



「間接キスだね?」

「……ッ////」



な、なんてこと言うんですか先輩////

あたし言われるまで気づかなかったですよぉ〜〜〜



「ほんとは本物のキスしたいところだけど今はまだ璃愛の心臓がもちそうにないからやめとくね」



"本物のキス"!?

先輩と…

キス……



「せ、先輩…」

「ん?」

「あたし、大丈夫です…!ファーストキスは大好きな人とって決めてるんです…だ、だから、先輩と…キ、キスしたいです…////」



い、言っちゃった!!!

がっつきすぎって引かれてないかな?

でもあたし…

先輩とキスしたい……



「ふはっ、さすがに今は人目があるからできないよ」

「あ…そ、そうですよね…!」



そりゃそうだよね…

やだ、あたし恥ずかしい…



「でもそう言ってくれて嬉しかったよ?今はできないけど…また今度、ね?」

「…ッ////は、はいっ!!」



今度、先輩とキス…////

想像しただけでドキドキして心臓破裂しちゃいそうだけど、楽しみだな…



「実は間接キスも周りに見られてるんじゃないかってちょっと恥ずかしかったんだよね」

「そうなんですか?ふふっ、恥ずかしがり屋の先輩も可愛いです」

「年下に可愛いって言われてもなぁ…璃愛の方が可愛いよ」

「そ、そんなことないです…////先輩の方が可愛いです…////」



そう言うと それはないから ってははっと笑った先輩。