「あー、これ、地毛。家族の中でも俺だけなんだよね、茶髪なの。
しかもめっちゃ明るいし。
中学の時はさ、全然キャラ作ったりとかしてなかったし、普通に笑ってたんだけど。
俺、一回引越してんだよね、大阪に。そしたら、いきなり髪染めろってさ」
ははっとから笑いをする相良くん。
「うちの親それなりで大人しく染めさせるひとじゃないから、もう家中荒れまくったよ。
ピアスはそのとき開けた。今ははずしてると全然落ちつかねーんだ」
そう言って憂ある目でため息をついた。
「話してくれてありがとう。けど、私、そんなこと気にしたことない。
本当は優しいのはもちろん知ってるし、茶髪でピアスを開けてる、それが相良くんだもん」
相良くんの目をしっかり見つめて話した。