扉の向こうに立っていたのは

栗色の髪をした青年だった。

なぜ私の家にいるのか?

そんな事は一切思わず、

一瞬でなんとなくは察した。


何故なら、彼は

確かにそこに姿はあるのに

透けているからだ。


「…あのっ、」

彼の言葉を無視して

私は眼帯を付け直した。

そこには彼の姿がない事で

私は全てを察した。


虹彩異色症、別名オッドアイの

私の左目は普段見えないものが見える。

それはこの世に亡き人や

人の思いやオーラなんかも。



私はこの目が嫌いだ。