【短編】眼帯の下のサファイア



私はあなたのいい妻でいられましたか?


私はあなたの癒しになれていましたか?


私はあなたの支えになれていましたか?



あなたに聞きたいことは沢山あります



きっと今あなたに会えば

何から話したらいいか分からず

素っ気ない態度を取ってしまいそうなくらいに。



あなたの最後の言葉は


“愛してた”


でした。


あなたは不安な事があると

すぐ過去形にする


あの時もそうでしたね

私を困らせるんじゃないかと。



私がこの先一人になって

寂しくなった時

いい人と出会った時

そんな時にあなたから私が離れやすくなるように

あなたを思い出にできるように

あなたはきっと

愛してた と言ったんでしょう?





「私はいい妻でしたか?」


だから私も、過去形であなたに問いかけます


そちらでいい人がいるかもしれないから


でも私はずっとあなただけを想い続けます


生涯をあなたと過ごしたこの部屋で過ごし続けます




庭に出て見上げた空は

どこまでも澄み渡っていて

あなたの瞳のように思いました。


-end-