【短編】眼帯の下のサファイア




彼は一年と二ヶ月植物状態に陥っていたという。



「ずっと誰かを探していて…こんなに大切な人を探していたのに直ぐに迎えに来れなくてごめん」


私の事を思い出すのに

時間がかかってしまった、と。



彼は言う

ずっと夢の中で

サファイアのような目をした女の子が

抱き締めてくれていた、と。



「僕を助けてくれてありがとう」

そう言って笑う彼の笑顔に

私は何度も救われた



「お礼を言うのは私の方…ありがとう。」


彼は私を抱き締めては離さなかった。




「私ね、ずっと…っ、」


言いかけた言葉を塞ぐように

彼は私に唇を重ねた。




「僕はずっと真凛さんが好きでした」



嬉しさと共に

過去形の彼の言葉に寂しく思う私がいた







「これから先も好きです、ずっとずっと好きだと思います。だからこれからも僕の話し相手でいてくれませんか?」


「…私も好きです。…ただの話し相手、ですか?」


「僕だけの話し相手でいてください。ずっと僕の隣で手を繋いで笑っていてくれませんか?」