_____キーンコーンカーンコーン


何一つ変わらない



ただ彼がいないだけの日常に

戻っただけの事だった


彼が姿を消し

早10ヵ月が経とうとしている

彼と出会った春

「…もうあれから一年か、」





_____ドンッ

「ちょっと邪魔って何回言ったらわかんの?」


ぶつかった衝撃で眼帯が取れた。



周囲を見渡すと

何か違った。





そこにはいつも見えている世界と

全く同じ世界が広がっていた。




「…なんで?」





私は彼が私の能力を持ち

一緒に消えたのではないか

そう思った。


不意に溢れ出す涙は

これでもかと思うくらいに

零れ落ちていった