「…してるって言ったら?」
彼はいつものヘラっとした笑顔で口を開く
「…そしたら、僕は…消えますよ。決めたんです、僕は真凛さんがここからいなくなる時に消えようって。真凛さんが僕をいらないと願うときに消えようって。今、僕の全ては真凛さんなんです」
直接聞く“消える”という言葉に
私は身震いした。
「だから真凛さん、この目が なんて言わないでよ」
「僕はその目のおかげで真凛さんと出会えた、真凛さんに見つけて貰えたんだ。」
そう言う彼の声は震えていた。
「僕も初めは誰でもいいって思ったんだ。誰か見つけてくれって。僕は僕が誰なのかも分かんなくて、死んでいるはずなのに生きていて…ただ生かされている だけだった。ここから離れれば消えると感じたくせに怖くて出来なかった。」
「そんな中真凛さんのお母さんがこの部屋に来た。必死に話しかけたけど…。次誰かが来たら消えよう そう覚悟を決めていた僕が消えようとして家を出ようとした時、扉が開いてその向こうに立ってたのは真凛さんだった。」
「私…、何も出来なくてごめんねっ、」
真っ直ぐな眼差しで私を見て話す彼に
私は咄嗟に謝った。
「なんで…謝るんだよ、」
彼は私を抱き締めた。
「…泣いてもいいよ、」
そう言った私は既に泣いていて
「…くそっ、なんで…っ、」
彼は私よりもっと涙を溢れさせていた。

