ママとパパの時代は

ケータイなんか無くて

連絡手段は家の電話だけだった


ママは中学を卒業して高校に上がり

パパはママと同じ中学の子に

卒業アルバムを見せてもらい

写真のママに一目惚れした

それから友達からパパを

紹介されて会うことになった


学校の違ったママとパパは

会うときは家電に電話をかける

もしかしたら親御さんが出るかもしれない

そしたらなんて言おう?

彼女でもないのにかしこまりすぎたら…

でももしかしたら彼女になる時がくるかもしれない

それなら今からいい印象の方がいいのでは?

そんなドキドキと戦いながら電話をかける


家電が鳴るともしかしたらあの人かも…

そう思って電話に出ると

違う人でがっかりしたり

あの人からの電話だと

親から呼ばれ急いで電話に出る



きっと私には分からないだろうけど

ママはパパにちゃんと恋をしていて

幸せだった、という。

きっと私にも娘が出来れば

同じ事を言うと思うよ、と。