空は少し曇りがかっている日だった。
いじめられる毎日に嫌気がさしながらもどこかその日常に慣れてきてしまっている。
そんな憂鬱な気持ちを抱えながらも今日も学校へ行く。
普段と変わらない雰囲気。普段と変わらない悪口。
普段と変わらない一日を終え、仲良くしてくれる友達とたわいもない話をしながら家へ帰っていた。

これから悪魔が来るとは知らずに…



通学路の交差点を曲がったあたりから、なぜか視線を感じた…
友達と話しながらちらっと後ろを見た。
すると美緒がいた。美緒も家がこの辺だとは聞いていた。
「きっと何も無い。」そう不安な自分に言い聞かせ、友達の方へ向き直った。
でも思いもしないことが起こった。
後をつけてきているのだ。最初は無言でわたしの帰り道を遠くから追ってきていた。
しかしだんだん「おい。とまれ」っとゆうようになった
最初は聞こえないふりをしていた、周りの友達もみんな。
それがイラッとしたのかさらに真緒の声が大きくなってゆく…

逃げたい… こわい…

そんな気持ちでいっぱいだった。
わたしの通学路の途中にはおばぁちゃん家がある。
「おばぁちゃん家に逃げれば…」そう思った。
でも次にこう思った。
「いまおばぁちゃん家に逃げたら明日の学校はもっと酷くなる?
おばぁちゃんは心配する。家族にいじめられてることはバレたくない。」
私の中でこの気持ちが勝ってしまった。
逃げるのを諦め、真緒の言う通りにおばぁちゃん家の横で止まった。



私を捕まえた美緒は怒りで溢れていた
「私のこと怖いとか、裏では悪口言ってるみたいだね?」
そう美緒は私に言った。
私は怖くて
「ゆってない……」そう嘘をついてしまった。
確かに数少ない友達には不安なことを言っていた。
きっとその中の誰かは面白半分で私の相談にのっていたのだろう。
私は相談したことを後悔した。
美緒は「ゆってんだろ?イライラすんなぁ。認めろよ。」そう言って私迫ってくる。
もうだめだと思い私は手が震えながらも重い口を開いた。
「確かに怖いとか悪口を影でゆってた。ごめんなさい。」
そういった途端美緒のイライラはMAXになった。
「初めから認めればすぐ返してやったのに!ふざけんなよ!うちの悪口言って楽しい?ねえ?今度言ったら親にまで危害加えるからな!親だからって容赦しねーからな?」
そう美緒はわたしにゆった。
その後は裏で私の見方をしてくれていた人のことを事細かに話せとゆわれた。
私と仲良くしてくれていた人を裏切る気分だった。

私が悪口を言っていたことを認め、私の仲間を潰したことで、美緒の気持ちは晴れたのか解散を許してくれた。
帰り際、美緒は私に、
「バーイバーイ!りんごー!また明日ねー!」
そう笑顔で私に手を降ってきた。
理解が出来なかったが
「うん!バイバイ…」
そう返事をした。



みんなと別れ一人で帰る帰り道で私は堪えていた涙をながした。
「どうして私はいじめっ子にあやまっているんだろう」
「学校行きたくない。つらい。こわい。」
そんな気持ちでいっぱいだった。
私は、「誰かに頼るとゆう気持ちを忘れよう。」
そう、おもった。


女手ひとつで私と弟を育ててくれている母親にだけは心配を掛けたくない。
そう思い、涙をふき、偽りの強い自分に戻り家へ帰った。


きっといつかおわる。


そう信じて眠りについた。