「今日は一日中雨となるでしょう。」
テレビで美人なアナウンサーがいう。傘を持ちながら。
滑らないようお気をつけください。と決まった台詞をいい、それを私はぼんやりみている。
なんの変わりのない平凡な毎日。
パンを少しかじり歯を磨いて、髪をゆわき、
いつものように母に
「いってきます。」
といい、学校へ向かう。
外は雨。
こさぶりだけれど傘がいるようないらないような。
細い雨がアスファルトを黒に染める。
どんよりとした空気に包まれ、気分がとことん重くなる。
そして、すれ違う人々も心なしかどこか暗い表情をしているようにみえる。
私の通う中学は普通の公立中学校だ。
ほとんどが小学校からの持ち上がりだから知らない人はあまりいない。
私は明るくも暗くもない普通の性格だけれど
クラスの中では目立つグループにいる。
満足していないわけではないけれどいつもなにか違う、とすこし壁を感じることがある。
とはいっても抜ける勇気なんてないんだけれど。
「おはよーん」
後ろから私の親友の優愛がタックルしてきた。
「いったぁー!!もうやめてよ」
優愛は幼稚園のころからの親友で、クラスは隣だ。