放課後。
私は帰りの支度をしていた。
「美咲、一緒に帰ろ!」
桜が私の席に来た。
「うん!」
私は桜と教室を出た。
その時─……。
「美咲!」
突然名前を呼ばれ、振り返るとそこには
「龍…」
どうしたんだろう?
見るからに焦ってるような…、なんで?
「どうしたの?」
「や、西山ちょっと美咲を借りてもいいか?」
……え?
あ、西山って桜のこと。
ほら桜だって驚いてるじゃん。
当然だよ。
「んー、いいけど…変なことしないでしょうね?」
え!?いいの!?
なんでよ!桜、私が龍のこと好きってわかってるじゃない!!
「するわけないだろ」
呆れたようにそう言った龍。
え、ちょっと!!私は嫌だからね!?
………で、でも龍といられるチャンスだし…。
すると突然、龍が私の腕を引いた。
「行くぞ…」
「え?う、うん…」
行くぞってどこに?
桜の方へと見たらニヤニヤしながら私を見ていた。
なに、そのニヤニヤは…。

