ミラートリック~キミの優しすぎる愛に溺れる~

なのに・・・

現実だけじゃなく、神様までも残酷だった。

キミのことを思い出しているうちに、いつの間にか唇を嚙み締めていた。

そのせいで、口の中に血の味が広がる。

あたしは小さな笑みと共に、ため息を零す。


「どうでしょう」

「その反応は、居るんだね」

「もし居たとして、それがどうかしたんですか?」

「キミなら、どうする?」


何が?


「キミなら、どうやってその人のことを守る?」


どうやって、と問われても、答えに困る。

それに、何から守ればいいかもわからない。


「遠回し過ぎて、話がよくわからないんですけど」

「あぁ・・・、ごめん」


タクは、自嘲的な笑みを零す。