ミラートリック~キミの優しすぎる愛に溺れる~

「10年後も、100年後も」


100年後って···


「あたし、100年後も生きてる自信ないけど」

「俺も」


可笑しくて、自然と笑顔が溢れる。


「昔は、玲がいなくなる未来に怯えてた。でも最近は、玲が隣にいる未来が楽しみなんだ」

「ハル···」

「なぁ、玲。これからも一緒に年重ねて、しわしわなお爺ちゃんやお婆ちゃんになっても、こんな風に手繋いで一緒に歩こうな」


ハルの言葉に、目頭が熱くなる。


「なら、長生きしなきゃね」

「頼むから、俺より先に死なないでよ。1人残されるのは、困る」

「あたしだって、嫌だよ」


ハルがいない人生なんて、嫌だ。


「なら玲が寂しくないように、これからいっぱい思い出作ろう」


無邪気な笑みを浮かべるハルに、もう何も言う気になれなかった。