ミラートリック~キミの優しすぎる愛に溺れる~

side 玲


無事に結婚の挨拶を終えた、帰り道。

隣を歩くハルは、どこかホッとしていた。


「素敵な両親だな」


ハルの言葉に、少し顔が緩む。


「あたしも、そう思う」


2人と出会えたから、今のあたしがいる。

きっと2人じゃなかたから、こんな幸せな今日はなかっただろう。


「玲」

「うん?」

「ありがとうな。プロポーズ、受けてくれて」


穏やかな笑みを浮かべるハルに、あたしは首を横に振る。


「ううん。こっちこそ、ありがとう」


ハルとの間に流れる、この穏やかな雰囲気が好きだ。


「ねぇ、ハル。最近、思うの。こんな日々が、一生続けば良いって」

「続くよ」


そう言って、ハルは手を繋ぐ。