ミラートリック~キミの優しすぎる愛に溺れる~

「でも、良かった。これでまた玲に突き放されてたら、1人で無駄に広い部屋に住むとこだったよ」

「え?」

「新しい部屋、玲の職場の近くに借りようかなって思ってた。お互いに仕事も付き合いもあるし、無理なく一緒にいる時間を増やすなら、一緒に暮らすのが1番かなって思って」


そんなこと、考えてたの?


「返事は、今じゃなくていい。ただ、覚えて欲しい。玲の居場所は、俺の隣だって。それに玲がいない日常なんて、俺が考えられない」

「ありがとう、ハル」


ハルの気持ちが、素直に嬉しかった。


「あたし、また迷うこともあるかもしれない。その度に、ハルの隣にいる自信がなくなるかもしれない」

「その度に、きっと俺は言うよ。俺に、玲が必要なんだって。だから、全部俺のせいすればいい。全部、受け止めるから」


そんなハルの優しさに、あたしはこれからも溺れ続ける。