ミラートリック~キミの優しすぎる愛に溺れる~

今度こそ、ちゃんとハルを解放してあげなきゃ···


「彩華と、出会えたから?だから、もう俺はイラない?」

「そうじゃない」

「じゃ、何だよ。それとも俺の代わりでも、できた?」


ハルは、ハルだよ。

だからハルの代わりなんて、何処にもいないんだよ。


「ハルは、自由なんだよ。あたしなんかと一緒にいたら、ハルは幸せになれない。ハルなら···」

「忘れてた。玲が、バカだって」


ハルはあたしの言葉を遮ると、いきなり抱き締める。


「俺が玲の傍にいるのは、あの時の約束を守るためだけじゃない。だからって、同情でもない」

「無理、しないで」

「してない。俺は、好きな人と一緒にいただけだ。そしてこれから先も、一緒にいたいと思ってる。一緒に生きていきたいと思ってる」