ミラートリック~キミの優しすぎる愛に溺れる~

でも仕方ないから、彩華に免じて許してあげる。

彩華には、きっと壱哉が必要だ。

諦めるのを諦めるくらい、彩華にとって壱哉はかけがえのない存在なのだから···


「わかった」


そう言ったあたしの頭を、ハルはポンポンッと優しく撫でる。


「送るから、待ってて」

「大丈夫。適当にタクシー拾うから」

「俺が、送りたいから。ね?」


そんなハルの言葉に、あたしは流される。


「お待たせ」

「ごめん。せっかく、集まってたのに」

「玲が気にすることじゃない」


笑みを浮かべ、ハルは隣を歩く。


「玲。まだ時間ある?」

「うん。大丈夫だけど」

「なら、ちょっと家に来てよ」


そんなハルの言葉に、あたしは素直に従った。