「もう、独りで頑張らなくていい」


ねぇ、ハル。

ハルは、不思議な人だね。

こんなあたしの傍に、これからも居続けようとする。


「ハルのこと、たくさん傷つけた。傷つけるってわかってたのに、ハルをちゃんと突き放さなかった」


···手放したくなかった。

ハルとの時間を割り切ろうとすればするほど、言い訳を並べては、繋ぎ止めていた。


「違うよ。俺が、玲を失いたくなかったんだ。ありがとう、生まれてきてくれて。色んなことがあったのに、今日も生きててくれて、ありがとう。玲」


腕を引かれ、ハルの胸の中に収められる。

存在を否定され、生まれてきたことを後悔した日は何度もあった。

息をすることさえ、億劫な日だって···