ミラートリック~キミの優しすぎる愛に溺れる~

「あたしが知ってることは、全て話した」


これ以上、あたしがここにいる必要はない。

ここは、あたしの世界じゃない。

立ち去る為に、歩みを踏み出そうとした時。


「今を捨てたひかりが、俺らとの未来を望むだろうか」

「案外、楽な選択をするんですね」


壱哉の言葉に、少しだけ落胆する。


「自分の人生くらい、自分で答え出しなよ。あたしが彩華なら、他人の出した答えに便乗したあんたとは会いたくない」


そう言い捨て、あたしは歩み出す。

外の空気に触れ、ゆっくりと深呼吸をする。

帰ろう。

あたしが居るべき場所(世界)に···


「玲!」


え?

初めて、だったと思う。

そんな風に、彼に名前を呼ばれたのは···