ミラートリック~キミの優しすぎる愛に溺れる~

彩華と別れて、早数日。

あたしの環境は、何一つ変わっていない。


「玲。香坂さんが来たわよ」


お母さんの言葉に、部屋から玄関へと向かう。


「こんにちは。玲ちゃん」


香坂さんは、穏やかに声を掛ける。


「こんにちは。どうぞ」


あたしは、香坂さんを自分の部屋へと招き入れた。


「元気だった?」

「それなりに」

「それは良かった。あ!そう言えば、大学の推薦決まったんだって?おめでとう」


嬉しそうに笑みを浮かべる香坂さんは、本当に自分のことのように喜んでくれている。

この人は施設の人間で、毎年誕生日の日、こうやって調査にやって来る。


「香坂さんとこうやって会うのも、今年で最後ですね」

「そうだね。ホント、寂しくなるわ。私にとって君たちは、初めて担当した子だったから」

「元気ですか?あの子」


あたしの言葉に、香坂から動揺が伺える。