私を照らす太陽

こんな暑い日に限って全校生徒合同体育があるんだ。
本当に私はついてない。
仕方なくほどいた髪を結び、なんとか暑さに耐える。
「きゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」
突然悲鳴が上がり、私の耳は一瞬でその悲鳴でやられてしまった。
な、何事。。。
「加瀬君かっこいぃー♡やばいー!王子様ぁ!!」
みんなが見ている方を見ると、そこには整いすぎている顔、いい感じにセットされたフワフワで綺麗なブラウンの髪、軽く180cmは超えてると思われる高身長、少し筋肉質な体つき。まさにイケメンと呼ばれる容姿をしていた。
もう2年生になるのに私はその人の存在を知らなかったなんて、私ほんとにこの学校の人に関心無さすぎ。
友達と呼べる人はいないし、かと言ってボッチではない。話してくれる人が必ずいる。その分、私は恵まれてるのだろう。
「梓ちゃん?どうしたの?」
そうやって顔を覗き込んでくる1番仲のいいクラスメイトの寺島真奈さん。なんだかんだずっと一緒にいる、みんなからはてっちゃんと呼ばれてる
「顔、赤くない?熱ある?」
そう言えば朝からいつも以上にだるい。
頭がボーっとするし全身があつい。
寺島さんが私のおでこに手をあてる。
抵抗する気もなく、むしろおでこを預けるように差し出した。
「熱っ!?梓ちゃん!熱いよ!保健室行こう!?」
大袈裟。私は大丈夫だよ、ほら、だって私元気だよ。
思っても口には出ない。話すのもだるい。
次の瞬間、限界が来たのか、崩れるように倒れた。
視界が真っ暗になり、人の声も遠くなっていく。
「おい、……俺が…………ます………………」
最後に男の人の声が聞こえて、私は完全に意識を手放した。