私を照らす太陽

いつだったかな。
『恋愛に年齢も何も関係ない。好きになった相手がただ自分より少し若かっただけの話だ。俺はお前と付き合えてとても幸せだし、誇りに思うよ。』
あなたはそう言っていつも私のことを褒めてくれた。
でも、私はあなたに何もしてあげられなかった。自慢できる彼女にはなれなかった。
『いつもお前の笑顔は俺を助けてくれる。』
ううん、いつも助けてもらってたのは私の方。いつもいつも迷惑かけちゃったよね。
あの時も...



「梓!いい加減起きなさい!!」
おばあちゃんの怒鳴り声で私は目を覚ます。
いつもの朝だ。
ベットから起き上がり鏡を見る。
また、泣いてる...
あれからずっとそうだ。涙は枯れちゃくれない。どんなに泣いても、彼は戻って来ないっていうのに。
顔を洗い、着替え、リビングに向かう。
「おばあちゃん、おはよう。」
「おはよう。早く食べなさい。遅刻するわよ?」
私には親がいない。小さい頃からずっと。だからこうやっておばあちゃんに育てられた。凄く優しいけど、厳しいおばあちゃん。そんなおばあちゃんが大好き。
「ありがとう、おばあちゃん。いただきます。」
用意されていたフレンチトーストを頬張り、写真立てに目をやる。
私と彼の写真。その前にはお花が置いてある。
もう、会えないあなたの写真...
食欲もなくなり、フレンチトーストを置き、お皿を片付ける。
「今日も食べないの?ちゃんと食べないといつか体がダメになるわよ?」
彼がいなくなってからずっと私はご飯をまともに食べていない。
だから私の体はやせ細っている。
「うん、ごめんね。せっかく用意してもらったのに。行ってきます。」
そう告げるとすぐに結んでいた髪を解きメガネをかけた。
メイクもコンタクトもオシャレも、彼がいなくなった今は、やる意味がないのでしてない。
外に出ると暑すぎて一瞬にして汗が出る。
これだから夏は嫌いだ。
暑いから、悲しいから、嫌いだ。