最も、これは渡したメモをベースに作り上げたものだったし、彼女もそれをベースに考えたのだろう。

まっさらな状態で考えた時にどうなるのか・・・。
彼女なら、面白い調剤方法が思いつくかもしれない。

キエルは何となくではあったが、そんな予感がした。

そして、彼女がこの先どうなるのか・・・。
こんな時に不謹慎ではあるけれど、彼女の将来に期待感を抱かずにはいられなかったのだった。

やはり、彼に任せて正解だった。

彼はあの事態に対して、さぞ驚いたことだろう。
でも与えられたことに目を背けず、そして、可能性を見出し・・・。
的確な人物を見抜いた上、ここまで動いたのだ・・・。

何もしなかった彼が・・・。

怪我の功名ともいえるが、それだけ大きなは成果はあったと言える。

「意外と、彼は動けるものですね・・。」
「えっ?何か言いましたか?」
「いいえ、なんでもありませんよ。・・・さて、もう少しです。ユリアさん。必ず殿下はお救いしますよ!」
「はい、もちろんです。最後までよろしくお願いします。」

タイムリミットは、確実にやってこようとしていた。