「うーん。でも・・だとしたら?いやいや・・でも・・・」

ユリアはクラウスから聞いたことと、レシピ内容を見ながら、考えをめぐらせた。
そして、あることを思い出し、もってきたノートをばさばさと開き、調べごとを始めた。

(もしかしたら・・・あの記述が役に立つかもしれない・・・)

レシピ片手にノートを広げて、持ってきた紙にあれこれ書き込み・・・。
そして考え込んでは、また同じことを繰り返す。

狭い馬車ャの中はあっと今にぐちゃぐちゃになっていった。
当のユリアは考えることに夢中で、回りの状況には全く目が向いていないようだった。

そんなユリアの姿に、クラウスは少々面を食らっていた。

でも、夢中になっている人に何かを言って作業を中断するのはどうかと思い・・。
何も言わずにただ見守ることにしたようだった。

そして、しばらくして・・・。

薬草名と調合の過程を記載し終わると・・・。
ユリアはノートから目を離し、にこっと微笑み、
クラウスにこう伝えた。

「クラウスさん・・・、なんとかなるよ・・・。」