使われた一部の薬草を抜いて考えてみても、この薬はかなり優秀なものだ。
王国で判明している毒物の大半は、おそらくこれで解決は出来る。
しかし、これを使っても殿下の症状は解決できていない・・・。
「効果が不十分・・・。症状は軽微ながらも持続・・。」
「取り込んだ際に衝撃が強く、直後に気絶。しばらくして意識を取り戻したのですが、熱と痛みが続いているようです。」
「毒物を飲んだと言うわけではないんですよね。」
「襲撃の際に腕を怪我しました。毒はおそらく、そこから入り込んだのでしょう。体内に入り込んだ量は多くはないと推測しています。」
「少量で、この症状か・・・。熱や痛みは?その後は?」
「熱は一定の状況で持続。痛みは逆に増している。傷口の腫れは、少しずつ広がっているようです。」
症状は小康状態・・。
そして時間と共に苦痛のほうが増して行く状況。
ということは、恐らくこれは。遅延性のものなのかもしれない。
時間をかけてジワジワと聞いていくような・・・そんなもの。
そもそも、王族は危機回避のために、毒物に対する耐性を身に着けている。
威嚇であれ、確実にしとめる場合であれ、なんの耐性もない人と比べれば、
使われる量には相当な差があだろうし、即効性なら通常の何倍の量も必要となる
遅延性の物であれば、量は少なくとも、持続して取り込むだけの時間と月日が必要となる。
いずれの方法を取るにせよ、正直言って効率が悪いことは確かだ。
成功する保障も五分五分か、もしくは五分以下だろう・・・。
