「ユリアちゃん、納品してくれた薬草中々の質で、お客さんも喜んでたよ。また頼みたいんだけど・・どうだろう?」

調合の仕事がひと段落付き、窓辺で休憩していた所に、窓の外から馴染みの客の声が聞こえてきた。

薬剤商のバルドである。

バルドは馴染みの薬剤商。
この町の薬剤師の事は全て把握している。

どの薬剤師がどの薬草採取が上手いとか、調合薬はどの分野が得意とか、細かなことまで・・
それはもう沢山・・・。

いうなれば、『薬の分野におけるちょっとした情報屋』ともいえるだろう。

そんなバルドには薬剤師ランキングというものが存在していて・・・。

ユリアは彼の中にある薬剤師ランキングの中で3位に入っているのだとか・・・。

上位圏内なのは、ミリアの亡き父の影響もあるのかもしれないけれど・・・。

お陰で依頼してくる薬草は、扱いの難しい物も多く、貴重品のことも多い。

その難しさを分かった上で頼んでくるということは・・・。
それだけユリアの薬剤師としての技量を信用してくれているのだとういうことだろう。

父亡き後、ユリアをひとりの薬剤としてみてくれていることがよくわかる。

それだけに依頼を達成すれば、得られる収入は大きいのだが・・。