きみいろ~そして二人は恋をする~


「殿下は襲撃の際、左腕を負傷しました。あなたが最初に気づいたように、傷口事態は浅く、命に関わる傷ではありませんでした。しかし、その後、殿下にある症状が見られました。そして、殿下は・・・・。」

案内されたのは、王太子の居室だった。
そこには、酷く蒼白で、息苦しそうに横たわっている王子の姿があった。

「見える症状は比較的軽症のように見えますが、毒物による症状が持続しています。殿下には前医官長の命により、特別な薬剤を使用するよう言われています。大半の毒物はこれで解毒できるはずでした。」
「・・・・・・」
「しかし、解毒は不十分で現在に至ります。未知の毒成分が使用された可能性が高い。」
「!!」

アステリア王国の医療水準は比較的進んでいるほうだ。

優秀な医官・薬剤師が存在し、様々な治療方法を研究し、治療方法も多く確立されてきた。
それにより、様々な薬剤が開発され、国民もその恩恵にあやかっていた。