「今日はパテル草を使ったから採取して、明日はカティーおばさんが来るだろうから、クルミ草とクコの実を多めにとっておかなくちゃ・・・。あとはジャスティさんに頼まれた薬草を取って届けて・・っと」

朝日が昇ったばかりの森の中で、大量の薬草や木の実がぎっしり詰まっているかごを片手に、森をうろうろしている少女がいた。
 
ライトブラウンの髪を持ち、グリーンストーンのような瞳の色の少女
―彼女の名前はユリア。

彼女の一日の始まりは、森に入って薬草を探すことから始まる。

そして、町が活気に溢れる時間には工房を開き、常連さんの具合を聞きながら、診察をして薬を調合しする。
また薬剤商に採取した薬草を納品し、その日の稼ぎを得る。
 
それがユリアの毎日だった。

自分の調合した薬を使って元気になってくれたり、薬草談義で賑わったり・・・。
具合が悪くなくでも工房に来て、たわいのない話をして穏やかな気持ちで岐路に着く常連さんたち。

日々の生活に大きな変化はなくとも穏やかで・・・。

そして少しの幸福感に満たされる。

両親を失ってから一人でこの町で暮らしてきたユリアにとって、
そんな小さな幸福感は、日々のちょっとした事から積み重なっていくもので・・・。

それが、ユリアのヤル気スイッチを入れてくれ、日々の頑張るエネルギーになるのだ。