「まーた雨だよ」 「え、最悪。傘持ってきてないよ」 「千夏馬鹿じゃーん。梅雨なんだからね、いま」 パシャパシャと、水溜まりを踏まないように走る。 向かう先は、コンビニ。 頭にタオルをのせて、必死に走る。 ウィーン。 自動ドアの向こうは、冷房の効いたいまのあたしが求める場所。 あ、傘…。 キョロキョロと周りを見渡せば、すぐに見つかる。 残り一本の、ビニール傘。 .