一瞬、潤が何を言っているのか分からなかった
「こく・・はく?」
「うん」
言いようのない不安が込み上げてきた。
潤が誰かに取られちゃうなんて・・・
そんなの嫌だよ・・・
「だ、だ・・誰に?」
動揺が隠せない
不安で今にも胸が押し潰されそうだった
「五組の桜田奈美(さくらだ なみ)て子だよ」
桜田奈美......
その名前を聞いたとたん
不安は敗北感へと変わった
サラっとなびく長い髪
大きくクリクリした目
すらっと長い手足に
透き通るような白い肌
学年1可愛くて有名な子だった。
私に勝ち目なんて一つも無い
