潤が他の人のものになるなんて嫌…

耐えられない――。


「付き合ったらダメだよ…」


そんな言葉が口から出てきそうになった。

言いたくてたまらなかった。


でも、これを言えば幼なじみの立場を利用した卑怯者になる・・・。


そんな事、私の良心が許さなかった。

でもだからって二人を
くっつかせるような事も
私には出来ない・・・


私は必死に頭を働かせて、答えを探した。



「潤は・・どのくらい桜田さんを知ってるの?」

「あんまり・・・」

「そっかぁ。・・・私はよく相手の事を知ってから付き合った方が良いと思うなぁ」


潤への想いを最低限に減らした答えだった。


これは本当に思う事だし
他の人だって絶対そう考えると思った・・・


私の唯一の小さな反抗


「うーん。やっぱりそう思うよな」

「うん・・・」


軽い沈黙が流れた
この沈黙が怖くて…不安で…


潤の声を電話ごしに探し続けた。