『お願い…離れて行かないで』

伸ばした手が掴んだのは、人の手
じゃない。温もりなんて微塵もない目覚まし時計。


「……はぁ。またあの夢」
ここ最近毎日見る。あの夢を。


「もう5ヵ月も経つのに」
制服のリボンを結びながらカレンダーを片目に呟いた。