「とりあえず、吉山先生のとこ行こ。」

「そうだね。」



職員室の扉を開けて、中を見渡す。

雰囲気はあまり変わってない。

唯一変わったのは、そこにちらほら

知らない人がいるのと、

転勤してしまった先生たちがいないこと。

もちろん、私が一番会いたい先生はいない。


吉山先生とは、3年生になった時に社会を

担当してくれていた女の先生だった。

その先生は、30歳くらいの先生。

あだ名は『おばちゃん』と名付けた。

そう、玲奈と一緒に。

明るくて普段はキャピキャピしてる。

でもある時、先生が涙を流しているのを見て

とてもかわいいと思った。

その時からその先生が好きになった。