「実梨ー、着いたよ。」

「美月!」

「実梨、寝すぎ。」

「笑うのやめて。」




駅から、20分ほど直線の道を歩くと、

思い出が深い中学校が見えてくる。

懐かしいな。戻りたい。

ここには全部あった。

私の好きな人、大切な人、友達、親友。

でも、今は全部失った。

「実梨泣いてる?」

「ううん。泣いてないよ。

でも、懐かしいなってちょっと思った。」

「だよね!」

でもそれ以上に、戻りたいと思う。

できることなら、中学2年生。

あの時間が私の全てだから。