ー文化祭前日


「本当に、まだまだダンスもちゃんと

出来上がってないし、

買わないといけない物もたくさん残ってる。

どうか、時間に余裕のある人は、

残ってほしい。」



はーあ、だるい。

結衣も残ると行ったものの、

何をしていいのかもわからないし、

聞く相手なんてもちろんいない。

「吉井と、田辺買い出しに

行ってきてくれないか。」

大城先生が言う。

「私も行きたいです!!」

「じゃあ、3人で。」

やったーー!

「吉井 麻衣です。麻衣でいいよ。」

「ありがと。麻衣。」

それから、麻衣とたくさんおしゃべりして、

すごく仲良くなった。

麻衣が吹奏楽部に入っていることを知った。

何も知らなかったなって、ちょっと思った。

麻衣は、身長が低くて、すごくかわいい。

顔もはっきりしていて、美人に分類される。

おまけにこいつは、部活内で先輩に

恋をしていて、どうやらいい感じらしい。



「頭、くくってあげようか?」

英語の時間にペアで授業をする子が、

話しかけてきた。

「え?いいの?」

話しかけてくれた嬉しさと、驚きで

ついつい返事をしちゃった。