部屋まで荷物を運ぶと、安心したのと同時に一気に眠気と疲れが襲ってきた。

今日は早めに寝よう。

少し高いけど、ホテルのカフェで簡単に夕食を食べた。

日本人らしき人は全く見かけなかった。

急に心細くなる。

食べ終わると、さっさとカフェを後にして部屋に戻った。

シャワーを浴びて布団をかぶる。

あの時は、ショウヘイがいたから寂しくなかった。

例え、ぶっきらぼうで失礼なこといっぱい言われたけど、そばにいてくれるだけで安心できた。

今は一人ぼっちだ。

タカシに振られてここに来た時は、一瞬でタカシを忘れることができたのに。

どうしてショウヘイのことばかり思い出してしまうんだろう。

忘れたいのに忘れられない。

いやいや、まだ初日だ。

1週間もあれば少しずつ忘れられるはず。

目をつむるけれど、その日はなかなか寝れなかった。


翌朝、早朝に目覚めた。

ほとんど寝れなくて、瞼が重い。

鏡にうつる自分は若干顔が浮腫んでいた。

いやだねー。年とると、浮腫みやすくなっちゃうんだよね。

ミネラルウォーターを飲んだ。

朝ご飯を買うために少しのお金を持ってホテルを出た。

ひんやりと冷たい朝の空気が気持ち良くて、近くのコンビニを通り越して少し散歩をすることにした。

朝日がまぶしい。

木々を揺らしながら、冷たい風が吹き抜けてゆく。