結婚適齢期症候群

ショウヘイがシャワーを浴びて出てくると、丁度じゅーじゅーと音を立ててから揚げがお皿に盛られたところだった。

「うまそ。お前、料理だけはうまいよな。」

料理だけは、ってまた余計な一言。

つまみぐいしようとしたショウヘイの手を軽くはたいた。

「もうちょっと待ってて。」

から揚げの横にトマトを添えた。

ラフな黒のTシャツに下はジャージ姿のショウヘイ。

3日も立てば随分見慣れた姿だった。

少し濡れた前髪は、未だにドキドキするけれど。

「はい、お待たせ。」

ソファーに座っているショウヘイの前に料理を並べた。

「いただきます。」

ショウヘイは両手を合わせると、すぐにから揚げを一口で頬ばった。

「ん、うまい。・・・ニンニクたっぷり効いてるな。お前俺を元気にさせてどうしようってんだ。」

「え?」

元気にしたいと思って作った料理だけど、その言い方って、なんだかいやらしいんですけど!

思わず顔が赤くなった。

「何考えてんの。」

ショウヘイはご飯をかき込みながら笑った。

そんなショウヘイを見ながら、少しは元気出たかなって安心する。

から揚げはやっぱり熱々に限る。

ジューシーだし味が濃厚に感じる。

我ながら上出来だった。

「河村部長、お前は初めてだっけ?」

全て平らげてお茶を飲んでる時、急にショウヘイが言った。

ここにきてようやく部長の話題か。

ショウヘイの横顔を見ながら、

「・・・ミユキとやばいよねって言ってた。」

と言うと、ショウヘイは私の方を見て吹き出した。

「やばい、か。俺は何にも言わないけどね。」

「ずるいわよ。笑ってるってことは同感なんでしょう?」

「違うよ。元彼女の父親だからな。尊敬してるし、俺には到底太刀打ちできない存在だと思ってる。」

お茶をテーブルに置くと、また前を向いて何かを考えているような顔をした。