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(……アレ? 僕いったい……何してたんだっけ。頭がぼぉーっとして、何も思い出せないな)
『――……く起き……いつ……がる……』
(何だろ……誰かが何か喋ってる……僕に話しかけてるのかな。でもいったい、誰が――そうだ碧羽! 碧羽どこにいるの? 碧羽、ねえったら――……嘘だ、僕……声が出な……)
『――……それ……打ったか……まだ覚……――』
(いったい何を話しているの? ちゃんと僕に解るように説明してくれないかな……って、まあ何でもいいや。とにかく早く帰らなきゃ。しかし真っ暗だよね……ここは何処なんだろ。
外……ではないよね、月も星も出てないし。ということは室内……か。電気代でもケチってんのかな、まったく世も末――)
「言いたい放題なこと言ってんじゃねえよ、このバチ当たりが!」
――バコンッ
素晴らしく景気の良い音を立てて、凛の頭にゲンコツが見舞われた。
「あイタッ! ちょっと……急にひとの耳もとで喋っといて、頭殴るのやめて欲しいよね」
じんじんと星が飛び出す、己の頭部をさすりながら、凛は謎の声に託言(かごと)を口にする。

