イケメン双子と、もちろん『腐』の付く愛され女子と。


「ひとに話すと願いが叶わなくなるって……どこから仕入れた情報なの? 碧羽。それひどく歪んだ、ニセ情報掴まされてるよね。

心配しなくても、僕たちなら大丈夫だよ碧羽。たとえどんな困難が待ち受けていようとも、ふたり力合せればきっと乗り越えられるからね」

 心配なのは、むしろ凛の方であった。いくら前向き発言を並べ立てようと、一度口にした言霊は二度と戻せないのであった。 ……涙ぐましい程の無駄骨を披露してくれた。

 ドヤ顔で言い切る凛に対し、じっとりと半眼を向ける漸と、可哀想なものでも見る碧羽。一向にやまない雪をバックに、凛の背中は見事なまでに哀愁が漂っていた。



 翡翠ヶ丘唯一の神社である、『緑翠稲荷大明神』は、和魂(にぎみたま)である白狐と、荒魂(あらみたま)である黒狐が対で祀られている。

 中国の陰陽思想に基づいて、プラスとなる和の力に均衡するだけの、ナイナスとなる荒を奉ることにより、神力の相互作用を狙っているとは宮司の主張である。

 ご老体の心臓泣かせである石階段を上りきると、大層立派な朱塗り鳥居が構えられている。更に左右には狛狐が安置されており、参拝者を鋭い眼光で以って厳しくチェックしている。