「一目惚れってヤツかな?」



突然の告白。取り巻きの香園寺ガールズがいる中で。


4月13日午後1時3分。

昼食終了直後の不意打ち。



「受験の時、俺が蒼井さんの後ろで。

休み時間に俺が消しゴム落とした時拾ってくれたじゃん。

そのときにうわっ、かわいいって思って。
そっから忘れられなくて…

んで、今こうして席が隣同士。

運命だと思わない?」

 

いや…分からない。

温度差がありすぎて埋まらない。



「私、覚えてないです。香園寺くんが後ろにいたら覚えていると思います…」



とんだでっち上げだ。

こんなのウソだ。


そう信じて止まなかった。



というのも、こんな大勢の前で
クラス1のイケメンが地味子に告白というドラマチックなことをされたら、ますますクラスの女子に変な目で見られてしまうと思ったからで…。


これ以上、私に寂しくて辛くて苦しい生活をさせないで欲しい。



「君が覚えていなくても俺が覚えているから心配しないで。
とにかくずっと好きだったんだよ。
これだけは覚えておいて。」
 


覚えておいてと言われなくても、きちんと脳は記憶するだろう。


これだけ印象的なことを言われたのだから。