「はい、じゃあ大問1の1番から、出席番号順に回答お願いします」



まさか…

いやそのまさか…


 
私が回答を言い終わり、ヤツの順番になった。

でもだんまりを決め込んで一向に喋り出そうとしない。


理由は…分かっている。
分かっているから怖い。



「石澤くん、分かるか分からないかだけでも答えなさい」



「アイドントノーです。さっき晴香ちゃんに聞いたんですけど、教えてくれなくてぇ」



「蒼井さん」



クラス中の視線が一気に私に注がれる。
 


「今すぐ教えてあげて下さい。その間に3番やりましょう」



私は後ろのヤツを見た。

いや、見たと言うより……睨んだ。




「今度は睨んできました~」とは言わなかったが得意満面の笑みをこぼしていた。





こんなヤツが後ろにいると思うと毎日が苦しい。



いちいち相槌。

いちいち説明。

ーーー疲れる。



ただしこれだけじゃなかった。



私の隣の席の彼は…