2007年3月16日。
今日はわたしの誕生日だ。
もう誕生日プレゼントを期待するような歳でもないけれど、学校に行けば皆おめでとうって言ってくれるかなぁ、って。ちょっとそれだけ期待。
両親が、今日の夜は外食をしようと言ってた。
わたしは今日で15歳になった。
今日で義務教育も終わりだし、明日は高校の合格発表。ちょっと緊張してる。
そんな日。

わたしが受験したのは、県下有数の進学校。合格するだろうと太鼓判を押されて、合格するか半信半疑で受けた。

中学校の校舎とは、もう今日でお別れ。
「藤原さんおはよう」
「絵梨香おはよう!」
「おはよう」
幼なじみの由利と、最近仲良くなってきた高崎さんだ。
わたしの名前は、藤原絵梨香。自称、平凡な中学校生活を送って来た大人しい性格の中学生。部活動は吹奏楽部でフルートを吹いていた。
目立つ生徒じゃなくて、他の目立つ生徒に存在が消されるくらいだった。
それでもわたしは楽しかったし、人並みに友達もいる。
「皆さん、今から整列して卒業式になります。これは中学校の集大成ですからね。整列してください」
みんな整列して、式場になる体育館に向かう。
最後だなぁ、と漠然と思った。