あの夏の君に、私は何度でも恋をする

「あはははは!それ何役なの!?」


千夏がお腹を抱えながら聞いた。


「お化けだよ。」


「え?」


「タ・ダ・の・お化け!!」


「…な、なんでまた?」


「予算が足りなかったんだってよ…。委員長が『伊月くんは元がいいからこれでもかっこいいよ!』って言うから納得してきたけどよぉ…。


これじゃ顔なんか見えねぇじゃねぇか!!」



「「「ぶっ!」」」


伊月の悲痛な叫びにまた吹き出してしまった。


「…お?お前ら笑ったな?


呪ってやるーー!!」



「うわぁ!やめろっ!」


陽亮に飛びついて暴れだした。



「そろそろお客さん来るよー!中準備して!」


外から聞こえてきた委員長の声でなんとか伊月はおさまった。


私も自分の持ち場へ向かおうとする。


「綾。」


陽亮に呼ばれて振り返る。


「ん?」


「あのさ、さっきは言えなかったんだけど…。」


言いにくそうに少し視線をずらした。


なんだろう…。やっぱりこの衣装変かなぁ…?


「…てる。」


「え?」


「その衣装、すげぇ似合ってる。」


そう言った陽亮の頬は少し赤くなっていた。


「それだけ!がんばろうな!」


陽亮は足早に自分の持ち場へ歩いていった。


ずるい…。そんな不意打ち、ずるいよ。