「やーっと準備に参加できる〜!」



「ずっと練習だったもんね。」


楽しそうに筆を動かす千夏。


私たちのクラスはお化け屋敷をやることになった。


今、黒いビニールに血に見立てた赤いペンキで文字を書いたり手跡を付けたりしてる。


「もうそろそろ夏大だからね。先輩たちが最後だからやっぱり気合い入るんだ!」


野球部は夏の大会を前にすごい気が入ってるみたい。


マネージャーの千夏はもちろんだけど陽亮と伊月はもっと気合いが入っていて夜遅くまで練習しているらしい。


それでも3日前だからと準備に来れるようになったらしい。


「あれ?陽亮達は?」


ふと気づくとさっきまで隣でペンキを塗っていたはずの陽亮と伊月が見当たらない。


「あぁ、伊月は飲み物買って来るって。陽亮ならさっき美波に連れていかれてたよ。」