「ねぇ！どこいくの？？」

行先も告げられぬまま駅とは反対方向に連れていかれる。

「行けばわかるよ！」

ずるずると引きずられるように3人に連れられて歩く。


10分くらいして着いたよと言われ顔を上げると

「お好み焼き…？」


「そう！お好み焼き！好き？」


千夏に聞かれて頷く。


「よかったー！さあ入ろう入ろう！」


ガラガラと千夏が扉を開けて1入った。


中からソースのいい香りが漂ってきて食欲をそそる。


そう言えば、ご飯まだだった…。


「ほら、行こうぜ。」


「ここのお好み焼きは最高だぞ〜！」


陽亮と伊月に促されお店に入った。


千夏はもう席に座って待っていた。


私は千夏の隣に座って前には陽亮が座った。


「どれにしようかな〜！」


嬉しそうにメニューに釘付けになる千夏。


私もメニューを見るけど食べる気にならない。

さっきのみんなの声が頭から離れない


｢綾！｣

メニューの向こうから声がして視線を移すと陽亮がこっちを見ていた。


｢食え食え！ここのお好み焼きは絶品だぞ！｣


｢うん…。｣


｢俺のオススメは豚玉とシーフード！｣


もう1度メニューを見る。


｢どっちも美味しそう｣


｢だろ？いつも迷うんだよな〜｣



陽亮も一緒になって悩み始めた。



「あ！そうだ！」

陽亮がひらめいたように言った。


「綾、半分こしよう！」


「え？」


「半分こ！俺が豚玉頼むから綾はシーフード頼んで！」


ニッと笑う陽亮に胸がドキッとした。


「あ…ありがとう。」


なんだか恥ずかしくなってメニューで顔を隠した。


伊月と千夏も決まったみたいで陽亮が店員さんに注文を伝えた。