凛は平然とした顔で、教室を出ようとした。

俺は、引き止めようと、追いかけた。

目の前に居たのは、俺の知らない凛だった。

素直な笑顔を浮かべ、楽しそうに男子と話しているのだ。

「本当に凛は、夢を見すぎだ。」

凛の存在は、前から知っていた。

でも話したり、見たことはなかった。

最近凛の顔を知ったのは、凛に告白してフラれた奴から、写真を見せてもらったからだ。

表情豊かなのに、笑顔は偽物と言う噂を告白してきた女子からも聞いた。

そして、接してみて分かったことは、モテてる奴が嫌いで、冷たいということ。

どうしたらいいんだ。

もうこうなった以上、手段はない。

でも、これは賭けだ。あいつが先に落ちるか、俺が先に落ちるか。

「恋愛中毒者、俺を楽しませてくれよ」