真新しい制服に身を包んで、いつもよりキチッとしたヘアスタイル。何度も何度も鏡でチェックして、大きく深呼吸。よし、OK!
いつもより元気な声で家族に

「行ってきます!」

ドアを開けると、見事に桜が咲き乱れていた。やばい、緊張するし!
今日は中学校の入学式。青春の第一舞台に今日足を踏み入れるのだ。ギャー楽しみ~!久しぶりにあいつにも会える。あいつとは私、早川薫(ハヤカワカオル)の好きな人の有沢颯(アリサワソウ)のこと。春休みの間一度も会ってないから心臓が破裂しそうな程ドキドキしてる。
あれこれ考えてるうちに集合場所についた。今日は友達と待ち合わせして早めに行ってクラスメイトの確認をするのだ!

「お待たせ~待った?ごめん。早くいこうとかいったの私なのに…」

「だいじょーぶだよ。ウチも来たばっかだしね。それにカオルンが自分勝手なのは」

「まってよ!ミキ、私が自己中なやつみたいじゃん」

「否定はしないね。」

「ミキ~」

「は~い」

朝からいじられるなんて…おかげで緊張が解けた。この子は、雀美紀(スズメミキ)私の小1の時からの友達で、天然コンビで~す!

「やっぱ、中学は特別だよねー」

「ほう。何でじゃ?」

「ミキ!その言い方はやめよ?」

「りょーかい」

「だって青春の第一歩だから」

「青春は高校からだ~とか言ってたけど?」

「うぅ…忘れてください」

高校からだ~とは、言ったけどやっぱ中学もやんな?とか自分の脳内で会議中。

「夢の無いこと言わない!」

「いやーカオルンが言ってたんですけど…」

「うぅ…。忘れてください」

そうこうしているうちに私たちの新しい学校、青春の第一舞台が見えてきた!ギャーやば~

「ソウ来てるかな?」

「おー恋する乙女~フゥー」

「ミキ!」

「ごめんやしょ。」

「それ!私のやつ、」

「ごめんやしょ」

「はぁ~」

ミキ、それはとらんとって。

「リンゴさーん。着きましたよ~」

「リンゴって呼ぶな~!」

「あらあら、気に入ってるくせに~?」

「ミキ!」

「は~い」

リンゴとは、私のあだ名でソウがつけてくれたのだ。りんご病って知ってる?顔とかが赤くなる病気で、私がすぐに顔が赤くなるからリンゴって呼ばれた。リンゴって結構可愛いイメージだから気に入ってるんだ!

「ほら、入るよ!」

「待って!ミキ、せーの!」

だ~ん。到着!

「決まったー」

「決まったねー」