「へえ──めずらしいね」 紫織はCDを受け取りCDの色んな面を見回した。 「しっとりとしたバラードにしようかなっと想いまして」 「聞かせてよ♪」 「ダメダメダメ。まだ秘密」 CDを取り出そうとした紫織から無理矢理CDを奪う大希。 「いいじゃんかあ」 「うるさいの─はい。練習練習」 大希は紫織に背を向けCDをカバンの中に入れた。 紫織はその瞬間をしっかり見ていた。