「まぁや元気?」
「元気って、元気だよ?」
保健室のベッドに並んで座り、話してる。
「一応父親だからぁ?」
足をばたつかせながら笑う。大希。
「まぁ、元気だよ?紫織ちゃんがお世話してるもん」
大希に向かって偉そうに言う紫織。
「俺だってちゃんと世話してるよ?」
「え?」
大希はポケットの中からマスコットを取り出した。
「あっ……これ」
紫織があげた猫のマスコットだ。
大希が大事にしていたやつ。
紫織が隠して、大希が怒ったやつ。
「そうなんだ」
紫織の心臓がなりだした。
「名前はしおり」
「はっ!?」
大希はマスコットを持って紫織に自慢した。
「何でしおりなのよ」
「紫織が一番傍に居るから、じゃしおりでいっかぁって」
紫織は頬を赤く染めた。
「紫織ぃタコみたい」
大希がふざけて紫織の頬に触ろうとした。
「あっうわ!!」
大希は片手でバランスを取っていた。その手が滑った。
「きゃっ!!!!」

